エネルギー・環境シリーズ
2011年2月25日 16:15
栗:ねぇ〜ピッカリ博士??「レアアース問題」って何?
ピ:そもそも「レアアース」っていうのは、鉱物からとれる17種類の元素の総称で、「レアメタル」の一部なんだよ。
携帯電話、液晶・プラズマテレビにエアコン、自動車の排気ガスをきれいにする材料(触媒(しょくばい))、今大注目の電気自動車などにも使われていて、今や日本のものづくりに必要不可欠なものなんだ。
栗:えーびっくり!!ぼくのまわりにもたくさん使われているんだね。
でも、そんな必要不可欠なものの何が問題なの?
ピ:こんな役立つ材料のレアアースだもん、みんな欲しいよねぇ。でも、現在、中国が世界のレアアース生産量の95%以上を占めているんだ。
だから、中国などの海外から買えなくなると日本のものづくりができなくなるかもしれないからみんな心配してるんだ。
栗:え〜!!日本がレアアースを手に入れるためには、海外から買ってくる方法しかないの?
ピ:すでに日本にある製品から、レアアースを回収することはできるけど、そのためにはたくさんのお金がかかったり、環境にあまりよくなかったりで困りものだったんだ。
栗:どうしよう...。
ピ:安心したまえ!栗男くん!!
そこで、すばらしいアイデアを考えついたのは、広島大学 高橋先生。
「バクテリアにレアアースを集めてもらおう」ってな具合にね。
栗:バクテリアって細菌のことだよねぇ・・・。ピッカリ博士、どういうこと??
ピ:バクテリアの細胞表面には、 "ガルボギシル基"や"リン酸基"っていう手のようなものがあるんだよ。
「このバクテリアの手ならレアアースを上手につかめるんじゃないか?」って高橋先生は考えたんだね。
栗:上手につかめたのかなあ。どうなったの?
ピ:いろんなバクテリアを、いろんなレアアースをいれた容器に入れてみたんだ。
すると、思ったとおり、バクテリアはものの見事にレアアースをつかまえていたんだよ。高橋先生は、もっとくわしく調べるために、スプリング8(エイト)の明るい光を使ってバクテリアがどうやってレアアースをつかまえているか見てみたんだよ。
すると!!見えちゃったんだねぇ。分かっちゃったんだねぇ〜。
バクテリア細胞表面にある一方の手"リン酸基"がレアアースを上手につかまえている様子がね!"リン酸基"は、小さなレアアースをつかまえるのが得意だったんだね。
栗:バクテリアを使ったら環境にもやさしいね!他の国にたよらず、日本の中だけで、たくさんのレアアースを集めて再利用することができたら安心だね。
ボク、大人になったら、バクテリアが集めてきてくれた
レアアースを使った電気自動車に乗るんだ!!
ピ:栗男君、ワクワクしてるねぇ〜。
エネルギー・環境シリーズ
2011年2月25日 16:15